こんにちは、風と土の自然学校 梅崎です。
もみ殻を燃料にしたぬかくどは、昭和30年代頃まで各地で使われていたようですが、今ではほとんど見ることはありません。
もみ殻のことを「もみぬか」ともいうそうで、ぬかを使ったくど(かまど)だから「ぬかくど」。
安曇野パーマカルチャー塾を一緒にやってきた、シャロムヒュッテの臼井健二さんが考案したのが、20リットルのオイル缶と業務用のトマト缶を利用したペール缶ぬかくど。
僕も2012年頃から、自宅用に作って使っていました。
ところが、年末にもみ殻の代わりにおがくずを燃料にして燃やしたら、燃焼温度が高すぎたようで、缶がぼろぼろになってしまい作り直すことに。
つくり方をお伝えする機会もあり、うまく燃焼するものと、うまくいかないものの違いもわかってきたので、そのポイントを活かして作り直しました。
一番のポイントは、酸素の供給量。
ま、当たり前といえば当たり前(笑)
酸素の供給量を増やすために、2年前の1号機は燃焼試験を繰り返しながら穴をたくさんあけました。
でも、実はムダな穴が多かった・・・。
以下、改良版の作り方をご紹介します。
1.ペール缶ぬかくどの材料
ペール缶(20リットルのオイル缶)は、自動車のディーラーや修理工場へ行くともらえます。
もっとも、最近はオイルがドラム缶で運ばれることも多いようで、ペール缶を使っていないところもあります。
業務用のトマト缶は、給食センターか、なじみの定食屋さんでもらうことができます。
穴は、インパクトドライバであけます。金属に穴をあけられる円錐形のドリル刃がありますので、ホームセンターなどで探してみてください。
2.ペール缶とトマト缶の底面
一番重要なのは、底面の穴。
ペール缶の中央にトマト缶を入れて使います。
その時に、トマト缶の底面から十分な酸素が供給されることがとても重要です。
だから、底面には大きめの穴をしっかりとあけます。
ペール缶の底面
トマト缶の底面
ペール缶の中にトマト缶を入れたとき、地面が見えるくらい穴があればOKです。
ペール缶に入れたトマト缶(上から見たところ)
3.ペール缶とトマト缶の側面
1)ペール缶の側面
酸素が十分供給されるように、ペール缶の上部にはしっかりと穴をあけます。
なお、羽釜を乗せると、釜の下半分がペール缶の空気穴をふさいでしまい、酸素供給量が不十分になりがちです。
そこで、今回はペール缶の縁にダブルクリップを3つつけました。
こうすることで、羽釜とペール缶の間にすき間ができて、酸素不足を防ぐことができます。
一方、下から3分の2は、穴がなくても大丈夫です。
トマト缶に入れた薪を燃やすと、高温に触れたもみ殻から燃焼ガスが出て煮炊きができます。
もみ殻は、上から炭化していくので、ペール缶の下の方に小さな穴をあけておきます。
この穴から見えるもみ殻が黒くなったら、燃焼終了のサインです。
2)トマト缶の側面
トマト缶も、底面にしっかり穴が空いていればOKで、側面の穴はあまり必要ありません。
もしかすると、全然なくてもいいかもしれません。やってみないとわかりませんが。
逆に、側面の穴が大きいともみ殻が缶の中に入り込み、底面の空気穴をふさいでしまいます。
4.燃焼試験
早速、燃焼試験です。
1)もみ殻の充填
ペール缶の中央にトマト缶を入れ、トマト缶にふたをします。
ペール缶は、缶の底から酸素が供給されるように、レンガの上に置きます。
その上からザザザーッともみ殻を入れます。
もみ殻の量は、トマト缶の高さまで。
ペール缶とトマト缶の間に、もみ殻が充填できました。
この位のもみ殻で、お米8合ぐらいまで余裕で炊けます。
2)着火
トマト缶の中に、細めの薪とスギの葉を入れます。
スギの葉はとても燃えやすく、昔は焚きつけとして使われていました。
薪とスギの葉がセットできたら、マッチで着火します。
3)ついでに、お好み焼きを焼きました
火が安定してきたら、ダッチオーブンのフタをペール缶ぬかくどにセットします。
12インチのダッチオーブンのフタは、ペール缶にジャストサイズの鉄板です。
鉄板が温まったら、お好み焼きのタネを乗せます。
ところが、火力が強すぎて、すぐに焦げ始めます(汗)
この火力は、お米を炊くには最適ですが、ピザやお好み焼きを焼くなら、火力が少し弱くなった頃でないと、表面は焦げて、中は生焼けになります。
もみ殻がまだ燃え切っていなくても、トマト缶の薪が燃え尽きると火が落ちます。
僕は、必要に応じて、薪を足したり、もみ殻を足したりしています。
特に、もみ殻を足すのは危ないので、やけどに気をつけてください。
燃え尽きるとこんな感じになります。