年間講座「自然農と手づくり循環生活実践コース」9月のレポートその3です。
今年は無垢の木で、自然学校の子供スペースに設置する本棚づくりをしています。

作っているのは、こんな感じの絵本がディスプレイできる本棚。

ねこ本棚

本棚作り(講師:小杉和志さん)

*小杉和志さん:大工、木工業、一級建築士
45年以上のキャリア。在来工法で家作りをしてきた。
工務店を経営されていたが、生き方を変えるため、18年前にすべての仕事や道具などを若い職人さんたちに託して、ご自分は卒業。

現在は、静岡にて工房自遊人を主宰。
現在は、和風建築、家のリフォーム、家具作りから、建築ワークショップでの素人への指導まで、幅広く活躍。

この年間講座でも、惜しみなくご自身の知恵と経験をシェアしていただいている。

無垢の木で本棚づくり:添付図面参照

1.寸法出し

都留市内の製材所で、一本の木から挽いた無垢の杉板。これを使って作ります。

まず、採寸する。
無駄がなるべく出ないように、全部の材料の採寸をしてから切断。
切るときは、実際に必要な長さよりも10cm程度大きく採寸&切断する。

《考慮すること》(写真&図1参照)
・板には木表・木裏がある。違いに注意。

木表・・・丸太の樹皮側の面
木裏・・・丸太の中心側の面

板が乾燥すると、木表側に反ることを考慮して使う。

・模様、割れなど(図1参照)

     図1 木表(きおもて)木裏(きうら)

・切断する場所に節がないか確認する。(節があると直線に切りづらい)
・幅が足りないものは、複数の板を継いで使う。
模様、方向など考慮して2枚の板が1枚になるように合せる。
・使う方向→木が生えていた時と同じ方向(上下)で使う。

図2 板の継ぎ方、木目の見方

《必要な材料》
・1400×400 3枚分 (2枚を1枚に貼合せ)
・1200×400 2枚分 (2枚を1枚に貼合せ)
・800×300 2枚 (貼合せなし)
・600×300 2枚 (貼合せなし)
*屋外では日光により反りが生じるので、ブルーシートなど日よけを掛けておく

2.切断
・丸ノコに「自由定規」をあて、墨どおりに切る(自由定規を当てると直線に切りやすい)

3.実(さね)加工(図2参照)
→板を継ぐための加工
→専用の丸ノコで実(さね)を入れる溝を彫る

①板を万力で固定する(木表、木裏が各板とも同じ向きとなるように)
②実(さね)にあわせて彫る溝の幅を決める
③溝を彫るときは、丸ノコの刃を回しながら、板にあてる。
(途中でやめてやり直すときは、丸ノコを少し手前に戻してから再スタートする)
④最後まで、丸ノコを水平にキープして動かす。

4.貼り合せ

①接着面に作った溝へ、木槌で叩きながら実(さね)をさし込む(図2参照)。
これを「雇い実(やといざね)」という。


②貼り合わせる板の溝に雇い実を入れ、幅の広い1枚の板になるようにする。
(ゆるければ接着剤を塗る。)

板の真ん中から伸びる棒が「雇い実(やといざね)」
③「はたがね」で締めて固定する

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本棚作りの合間に休憩。
雨の予報もどこへやら。汗ばむほどの陽気に感謝。

昼食

・ナス&スパイスたっぷりのカレー
・トマトとアボガドのサラダ
・羽根子地区のお祭「こんにゃくまつり」で入手された手作りコンニャク
・パン

おやつ

・栗のロールケーキ
(お庭の栗、豆乳、植物性生クリームで栗クリーム)
(小麦粉、菜種油、豆乳、ココア、ベーキングパウダー)
・アイスティー
・じゅん特製 梅&晩柑のジュース

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《感想》

一喜一憂しながら木工に挑戦する私達。
それを見た小杉さんから

「今の建設現場の職人さんが「物を作る喜び」をもう少し感じられればもっと良いものができるのに・・・」とのコメント。
建設業界が抱える悩み、つまり「広告宣伝力に物を言わせ、大手ハウスメーカーによる画一的な家づくりが圧倒的大多数となってしまったこと」をかいま見た気がしました。
私の祖父がハウスメーカーではなく地元の大工さんに家作りを頼み、何かと修繕などしてもらっていたことを思い出しました。大黒柱は、祖父の祖父が植えたものを使い、新築当初は米ぬかで柱を磨いてたなぁ。今思うと贅沢ですね。

皆さんの感想でも出ていましたが、だれかが何か指示しなくても、お互いが気付いたところで補い合い、粛々と作業が進んでいく空気感が心地よかったです。
また、ふきちゃんが昔気質の建具職人であったお父様のお仕事に思いをはせ、家業を継いであげられなかったことがずっと心残りだったことを話してくれました。
優しいふきちゃんの想いに触れ、お父様にふきちゃんの思いが伝わるといいなと思いました。

以上

 

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