「自然を感じながら暮らしたい」
「できることは、自分の手でやってみたい」
「少しでも、自分で食べるものは自分でつくりたい」
そんなふうに思っているのに、
「何から始めればいいんだろう?」
と悩んでいませんか。
20年以上、自然農で野菜を育て、
季節の手仕事を暮らしの中でしてきて思うのは、
いまの暮らしを、一度にまるごと変えようとしなくていい
ということです。
まずは、その季節にできることを一つ、自分の手でやってみる。
秋から冬は、そんな「自分の手でつくる暮らし」を始めるのに、とてもいい季節です。
大人が楽しく学べる「風と土の自然学校」を八ヶ岳の麓でしている梅崎靖志です。
今回は、秋から冬に楽しめる家庭菜園や季節の手仕事を例に、自分の手でつくる暮らしをどんな風に始めるといいのか、僕自身の経験も交えてご紹介します。
秋から冬、「ていねいな暮らし」を始めるなら何ができる?
たとえば、秋から冬にはこんなことができます。
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秋:コマツナ、チンゲンサイ、二十日大根などを育てる
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晩秋:クリの渋皮煮や干し柿をつくる
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秋〜冬:天然酵母のパンを焼く
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冬:味噌を仕込む
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秋〜冬:ミゴぼうきや正月飾りをつくる
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寒い季節:薪ストーブやウッドガスストーブなど、火のある暮らしを楽しむ
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冬の終わり:トマトやナスなど、夏野菜の苗づくりを始める
全部を一度にやる必要はありません。
ハードルを高くするよりも、
「これなら、ちょっとやってみたい」と思うものを一つ選んでやってみる。
はじめの一歩は、で来そうなこと、やってみたいことから始めるのが、オススメです。
秋にタネをまくなら葉物野菜!
「自分の手で食べるものを自分で作れたら、やっぱり安心」
そう思っていても、
「畑がないから」
「マンション暮らしだから」
と言う理由で、野菜づくりになかなか手が出せない、という方もいるかもしれません。
でも、ベランダにプランターが置けるなら、小さな菜園を始めることは割とすぐにできます。
野菜作りは、春から始めるイメージがあるかもしれません。
でも、秋もまた、家庭菜園を始めるのにはいい季節。
たとえば、コマツナ。チンゲンサイ。二十日大根。
こうした野菜は、プランターでも育てることができます。
秋がいい理由の一つは、夏に比べて虫が少なくなること。
初夏から夏にかけて、農薬を使わずに葉物野菜を育てようとすると、かなり虫に食べられます。
キャベツのうねに虫が入らないようにネットをかけたのに、ネットの中にモンシロチョウが入って産卵。
結果、イモ虫たちの食べ放題サラダバー状態に(涙)
なんていう話も聞きます。
ところが秋になって気温が下がると、虫の数も減ってきます。
夏には苦労したコマツナやチンゲンサイが、放っておいても驚くほどきれいに育ちます。
「野菜は、やっぱり適期に育てるのが一番やりやすい」
そんな風に毎年感じます。
家庭菜園をこれからやってみたい方は、春まで待たずに、秋から始めてみてはいかがでしょう。
楽しいですよ。
畑がなくても、循環する暮らしはできるんです
「自給自足的な暮らし」といえば、
広い畑があって、田んぼがあって、田舎の一軒家に住んでいる。
そんな暮らしを思い浮かべるかもしれません。
もちろん、田畑があればできることは増えます。
でも、作物を育てて食べものを自給することは、大切なひとつの要素だけど、
暮らし全体から見れば、暮らしの中の一部です。
だから、畑がなくても、
味噌を仕込む。
甘酒をつくる。
天然酵母のパンを焼く。
季節の野菜や果実で保存食をつくる。
暮らしで使う道具を自分の手でつくる。
と、いろいろできることがあります。
だから、
「いつか移住したらやろう」ではなく、
いまの暮らしの中で始めることができます。
今のうちから、いろいろできるようにしておけば、
いつか、移住したときにもすぐにできるし、
移住しなくても、いまの暮らしの中で暮らしを楽しめます。
秋冬は、季節の手仕事が楽しくなる
僕たちが暮らす八ヶ岳では、秋も終わりに近づくと、畑仕事がだんだん落ち着いてきます。
畑や土手の草も、伸びるのがゆっくりになり、草刈りも一段落すると稲刈りシーズンです。
実りの秋は、豊かな秋。稲刈りの他にも、やりたいことがたくさんあります。
ご近所からクリをいただけば、渋皮煮をつくったり、クリご飯にしたり。
柿が色づけば、皮をむいて干し柿を軒下につるします。
田んぼの収穫が終われば、その稲わらの穂先で小さなミゴぼうきをつくったり、
年末には正月飾りをつくったりします。
そして1月には、毎年、味噌を仕込みます。
こうした季節の手仕事も、
はじめは、「特別な季節の仕事」だったのが、
毎年続けていくうちに、
「そろそろ柿が色づく季節だね」
「味噌の仕込みにむけて、麹をそろそろ仕込もうか」
と、定番の季節の仕事に変わっていきます。
自然が移り変わるペースに合わせて、暮らしが進んでいきます。
といえば、ゆったりとした時間の流れのように聞こえるけど、
自然は待ってくれないので、人の都合よりも自然の都合が優先です。
だから、スローライフは、忙しいんです。
秋から冬は、火のある暮らしも楽しい
秋から冬は、火を使う暮らしを楽しむのにもいい季節。
脱穀が終わった田んぼでわらを燃やして、
畑で取れたサツマイモを火の中に放り込めば、焼きイモができます。
冷たい風を感じながら、ほくほくの焼きイモを食べるのも、
楽しみのひとつ。
薪ストーブに火をつけて、煮物をコトコト煮る。
自分でつくった一斗缶スモーカーで、くん製をつくる。

小枝を燃料にして調理できる「ウッドガスストーブ」で、コーヒーを沸かしてのんびりと飲む。
こうした時間も、楽しいひとときです。

いまでは、わが家にとって火のある暮らしは普通のこと。
でも、農村に初めて移住した頃は、
薪にマッチで火をつけようとしても、30分たっても火がつきませんでした(笑)
できなかったことが、一つずつできるようになっていく。
買っていたものも、自分で作れるようになっていく。
こんな風に、自分でできることが少しずつ増やせるのも、
自分でつくる「循環する暮らし」の楽しみのひとつです。
丁寧な暮らしをしたいのに、なかなか始められない理由
「丁寧な暮らしをしたい」
「自然のある暮らしをしたい」
そう思っているのに、なかなか始められない。
その理由の一つが、
「いつ、何をすればいいのかわからない」
「やりたいけれど、やり方がわからない」
「どういう道具を揃えればいいのか、見当もつかない」
ということではないでしょうか。
たとえば、
味噌の仕込み方なら、ネットを見れば、様々な情報が見つかります。
野菜の育て方も、ネットや本で調べればいろいろ出てきます。
でも、自分にあったやり方はどれなのか。
秋には何をするのか。
冬には何をするのか。
春になったら何をすれば、次の季節につながるのか。
畑、保存食、味噌、手仕事、火のある暮らし。
やりたいことはいろいろあっても、
それがどんな風につながっているのか、
循環する暮らしの全体像は、意外とわかりにくいものです。
僕も、昔は全然わかりませんでした。
自給自足的な暮らしに憧れたまま、10年以上
僕は20代の頃から、自分の手でつくる自給自足的な暮らしに憧れていました。
畑で野菜を育てる。
味噌や醤油を仕込む。
野草や薬草など、季節の恵みを暮らしに取り入れる。
そんな暮らしをしてみたい。
そう思っていました。
でも、
どの季節に何をすればいいのか。
どうやって始めればいいのか。
どんな道具が必要なのか。
よくわからない。
「いつか、こんな暮らしをしてみたい」
と思っても、何から始めればいいのかわからない。
よくわからないから、「また今度にしよう」と思っているうちに、
いつかやりたい、と思っているだけで、あっという間に10年以上経っていました。
いまから20年以上前の話です。
その後、仕事の転勤で、農村集落に移住することになりました。
でも、田舎に移住したからといって、理想の暮らしができるわけではありません。
畑で野菜を作るというイメージはあったけど、
そのほかのことは、何をすればいいのかよくわかりませんでした。
その後、パーマカルチャーを学び、少しずついろんな体験をする中で、
自然とつながる循環する暮らしが、どういうものなのか、少しずつわかってきました。
畑で野菜を作ること、
味噌を仕込むこと、
生ゴミを堆肥にすること、
野菜のタネ採りをすること、
田んぼでお米を作ること、
薪ストーブで暖をとること、
一つひとつを実践する中で、
どの季節に、何をするのか、
暮らしの中に、どう循環をつくればいいのか。
一つひとつのつながりが、少しずつわかるようになっていきました。
自給自足は、全部やらなくていい
自給自足というと、
何でも自分でつくる。
何も買わずに、すべて自給する。
そんなイメージがあるかもしれません。
でも、全部を自分でやろうとしたら、かなり大変です。
だから、
できることを、できる範囲で、楽しみながらやる。
楽しみながら長く続けるには、これがポイントです。
畑がなければ、プランターにタネを播く。
渋柿をいただいたら、干し柿をつくってみる。
味噌の仕込みだって、自分でつくるのが大変だったら、
買ってきた大豆を使えばいいと思うんです。

できる範囲で、少しずつ守備範囲を拡げていく。
普段から、すべてを完全に自給自足できれば、それは素晴らしいことです。
でも、いざという時には、自分は大丈夫、なんとかできる、
と思えルだけの力を育てておけば、それだけでも安心感は違います。
そして、できることをできる範囲で取り組むだけでも、
わが家の「暮らしの自給率」は少しずつ上がっていきます。
20年以上、こうした暮らしを続けてきて思うのは、
自給自足的な暮らしは、
できることから始めて、楽しみながら続けること。
これが大事だと思うんです。
毎年少しずつ、
「これは自分でできる」ということが増えていく。
それを3年、5年と続けていくだけでも、暮らしはかなり大きく変わっていきます。
丁寧な暮らしは、小さな一歩から
早春には、トマトやナスなど、夏野菜の苗づくりが始まります。
秋から冬へ。
冬から春へ。
春から夏へ。
その季節にできることを一つずつやっていると、暮らしの仕事が自然と次の季節へつながっていきます。
僕が考える
「自分の手でつくる循環する暮らし」
は、そんな暮らしです。
もし、
「丁寧な暮らしをしたいけれど、何から始めればいいかわからない」
と思っているなら、まず、この秋に一つやってみるのもいいですね。
プランターにタネを播いてみる。
干し柿をつくってみる。
パンを焼いてみる。
できそうなことや、やってみたいことを一つやってみる。
そうすると楽しいし、他のこともいろいろやってみたくなるものです。

「おうちでパーマカルチャー塾」で、季節の暮らしを一緒に実践
「自分でもやってみたい」と思って始めてみると、
「これでいいのかな?」
「うちの場合は、どうしたらいいんだろう?」
という疑問が浮かんでくるものです。
風と土の自然学校で開催している
オンラインの連続講座「おうちでパーマカルチャー塾」では、
自然農での野菜づくりだけではなく、
味噌の仕込み、
天然酵母のパンづくり、
季節の手仕事、
火のある暮らし、
おひさまのエネルギーを暮らしに活かす工夫など、
自分の手でつくる暮らし全体を、季節に合わせて学び、それぞれの自宅で実践していきます。
わからないことがあれば、オンラインのクラスやLINEのオープンチャットで質問できます。
ほかの参加者さんが、
「私はこんなふうにやってみました」と話してくれることもあります。
自分では、
「これは、あまり興味がないな」
と思っていたことでも、実際に話を聞いてみたら、
「これ、面白そう」
「このくらいなら、自分でもできそう」
に変わることもよくあります。

オンラインの連続講座「おうちでパーマカルチャー塾」秋と冬の暮らし編
「おうちでパーマカルチャー塾」には、
春と夏の暮らし編と、
秋と冬の暮らし編があって、半年単位で学ぶことができます。
オンラインで、同じ方向を目指す仲間と出会える楽しい講座です。

第11期「秋と冬の暮らし編」は、2026年10月14日にスタートします。
詳細ページには、どんなことを扱うのか、詳しくまとめてあります。
暮らしのなかでどんなことをすればいいのか、ヒントが詰まっていますから、
ぜひ、のぞいてみてくださいね。
▼この秋からできる
循環する暮らしのテーマをチェックしたい方はこちらをどうぞ
https://www.reservestock.jp/events/1179093
暮らしの「自給力」診断|畑、手仕事、何から始める?
循環する暮らしを始めるなら、
「私の場合、何からすればいい?」
と思ったら、こちらをどうぞ。
5つの簡単な質問に答えるだけで、
あなたにピッタリな一歩が見つかります。
暮らしの「自給力」診断はこちら。
https://www.reservestock.jp/page/fast_type/128
風と土の自然学校
梅崎靖志

田舎暮らし×「自分のシゴト」で、20年以上。
八ヶ岳で「風と土の自然学校」を運営しています。
暮らしの自給率を上げる循環生活の講座と、やりたい仕事を軌道に乗せる「自分のシゴト塾」を、リアルとオンラインで開催しています。

