風と土の自然学校のもうひとつの拠点となる八ヶ岳サイト。
7月24〜25日に、八ヶ岳サイトを整備するワークショップを開催しました。
大地の再生講座を全国で行う矢野智徳さんを講師に迎え、今回が4回目。
もともと田んぼだった敷地は、湿地状態で一部には水たまりができ、とてもそのまま座れる状態ではありませんでした。
そこに、水と空気の通り道となる水脈を整備してきたおかげで、いまでは乾いた大地に生まれ変わりました。
そして、機能していなかった敷地内の水路も、冷たくてきれいな水が流れる小川として復活しています。
菜園予定地、駐車場予定地も、少しずつカタチになってきました。
◇時間をかけて、現場で観察しながら整備を進める意味
時間をかけて、少しずつ整備を進める上で実感しているのは、現場で観察することの大切さ。
普通は、机上で図面を引いてプランを立てます。
なぜ机上のプランではダメなのでしょう?
それは、現場で風の流れを感じ、土を掘って土中の水と空気の流れを
感じなければ、現場の状況がわからないから。
たとえば、
家の湿気で悩んでいるとすれば、それは土中の空気と水が滞っているためです。
空気や水の滞りがあれば、その流れをよくするための働きかけをしていきます。
空気の流れをよくすれば、家全体が自然と呼吸を始めます。
もちろん、大地も呼吸を始めます。
そうすれば、湿気がこもることもありません。
これが、根本的な改善方法。
でも、多くの場合、防水シートを床下に貼る対処療法をします。
そうすると、土中の水と空気の流れはさらに滞ってしまいます。
この滞りは、家の下だけでなく、周辺環境にも影響します。
空気や水の通り道は、人間の血管と同じと考えれば、一カ所が詰まることで全体に影響するのがわかりやすいかもしれません。
建物を建てる前に、その土地をよく観察する。
これが、永続可能な暮らしをデザインする「パーマカルチャー」の教え。
昨年10月から始まったワークショップを通じて、土地と対話しながら少しずつ整備を進めていく中で、場所の特性が見えてきました。
敷地の使い方をデザインする時、よく観察するのとしないのとでは、土地の使い方がまったく違うものになるのを実感しています。
次回は、11月頃を予定しています。
環境を改善するために、どのような働きかけをすればよいか、関心のある方はぜひ一緒にやりましょう!
自然の地形を読み解く視点が育ち、具体的な方策のヒントが見つかりますよ。
詳細が決まったら、またお知らせします。
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当日の作業内容をご紹介します。
◇水脈整備の手順
①敷地のまわりに水と空気の通り道となる溝を掘る
②底に炭をしく(ドロきり)
③穴の空いたパイプ(コルゲート管)を敷設する
コルゲート管は、溝の底にぴったりくっつくように金属の棒で固定します。
④竹や太めの枝をコルゲート管のまわりに入れる
コルゲート管のまわりに入れる枝や竹は、組むようにさし込んでいきます。
この時、水や空気の流れをさまたげないような気持ちで入れていくといいみたいです。
⑤その上から細い枝、そして葉っぱを敷いて完了。
太めの枝、細い枝、葉っぱの割合は、一本の木を構成するのと同じ割合をイメージすればOKです。
細かいドロがたまると、空気や水の流れが遮断されてしまいます。
それを避けるために、ドロこしとして、炭、枝や葉をコルゲート管のまわりに入れます。
◇駐車場予定地の仕上げ
駐車場予定地の水脈整備が完了したので、ユンボで水脈を埋め戻して整地。
整地した次は、地表面に細かい炭をうすくまきます。
炭の上から荒腐葉土(あらふようど)を上からまいて、表面を落ち着かせます。
まるで、ずっと前からこんなふうだったのでは?と思うような雰囲気に仕上がりました。