こんにちは、風と土の自然学校 梅崎です。
年間講座「自然農と手作り循環生活 実践コース」
7月のレポートです。
 
1日目は、おーちゃんが担当してくれました。
 
 
では、どうぞお楽しみください!
 
 
7月7日(土) くもり
 比較的涼しく過ごしやすい気候の一日でした。
     
 

10:30 近況報告

かなりアットホームな雰囲気の中、
小杉棟梁への自己紹介も兼ねつつ、みんなの1ヵ月のシェアタイム。
 
ベランダや庭 で苗を育てたり、セミナー等に参加したり、
ファスティングを行っていたり、それぞれの充実した1ヵ月が垣間見えた。
皆、前向きでとてもいいお顔でお話しされていたことが印象的でした。
 
 

11:00 「在来工法の基本」小杉棟梁のお話

 

建物の構造と耐震について

 ・在来工法では、地震に強くするため、「筋交い」を入れる。
 ・柱の引き抜きを防ぐために、柱と土台を金物で固定する。
 ・昔ながらの大黒柱のある田の字型の家は、筋交いがない。
  
  「ぬき」を「くさび」で、筋交いの役割を果たす。
 ・今風の住宅では、合板を壁に打ち付ける方法が主流。
 
 
 
ハウスメーカーは、決まったやり方で家を作った方が、
構造計算や試験が楽など、メリットが多いので、同じパターンで家を作る。
 
家づくりを依頼する施主も、昔は「自分で作る、建てる」という意識があったが、
今は車を買うように、「完成品」を買うというイメージを持っている人が
多くなっているそうです。

 

 
 

さしがね

さしがねは、建築に使う金属でできたL字型の定規。
 
とても便利な道具で、さしがねには表と裏がある。
 
裏には、「角目」と「丸目」の目盛りがある。

 角目(かどめ)・・・表のメモリの約1.414倍。つまり、ルート2
 丸目(まるめ)・・・表のメモリの約3.14倍。つまり円周率の目盛り
 
 
丸太の直径を角目で測れば、その丸太からとれる角材の太さがわかり、
丸目で測れば、その丸太の円周がわかるという優れもの。
 
 
板の中心を出すのにも、さしがねが活躍します。
板に斜めにさしがねをあてて、メモリの半分の位置が板の中心。
 
 
また、板幅の3分の1を測りたいときは、
板の片側に0をあわせ、もう片側は3で割れる数字
たとえば30センチにあわせます。
 
10センチ、20センチのところにそれぞれ印をつければ、
板幅を簡単に三等分できます。
 
面倒くさい計算が一切不要な差し金、便利〜
 
 
 
 

なぜ、丸太の円周を測る必要があるのか?

木の皮で屋根をふく木皮葺き(コハダブキ)の材料を採るとき、
丸太からとれる木の皮の面積を測るために使われたそうです。
 
 
大工さんがよく使うのは角目。
直角に交わる材の対角線を図るのに使います。
 
 
 
さしがねは、とにかく使ってみることで身につく。
さしがねには、本当に様々な活用法があるらしく、
 『大工さしがね術』という、さしがねの使い方を解説した本ができるほど。
 
 
 

住宅は「尺寸」から逃げられないから、尺寸を覚えてしまうと楽

1尺=10寸=303mm   約30cm
 
だから、一寸法師は、約3センチの大きさということですね。
 
 
日本でかつて使われていた長さや重さの単位が尺貫法。
 
建築では、図面の表示はセンチメートルになっているものの、
尺寸がベースになっています。
木材の長さやベニヤ板の大きさに、いまでも1820mmというように、
中途半端な数字が見受けられるのは、そのため。
 
 

材の使い方が重要

<梁(はり)の強度と厚みの関係>
梁などの材の厚みによる耐力は、厚みの2乗で強くなる。
   例:2倍の厚みなら4倍
     3倍の厚みなら9倍
 
 
<板の使い方、木目の読み方>
  木表(きおもて)・・・木の年輪の外側
  木裏(きうら)・・・木の内側
 
 木表の方が若く、水分があり、密度が粗い。
 乾燥すると、その水分が抜けるので、木表側に反りやすい。
 
 
 
<木の性質は、ストローの束だと考えるとわかりやすい>
 木は縦方向の圧縮には強い。
 ストローの束を上下方向に圧縮しても、つぶれにくいのと同じ
 
 横方向の圧縮には弱い。
 ストローの束を握れば、つぶれてしまうのと同じ。
 
 
木表と木裏をうまく使えば、そりやゆがみによるトラブルは、
ほとんど回避できるそうです。
 
木造建築では、材をよく見て、材とよく相談しながら
どのように使うを考えることがとても重要なポイントになります。
 

12:30  ランチタイム

この日は、全員が比呂子さんの美味しいベジ弁当を
注文していたので、みんなでおいしくいただきました♪
 
 

メニュー

 ・大豆ご飯
 ・酢レンコン
 ・ 厚揚げの炒め辛味添え
 ・しいたけのごま油炒め
 ・いんげんときゅうり、大葉のしょうゆ麹和え
 ・きゃべつとトマト、アーモンドのサラダ
 

13:30 踏み台づくり

 
・杉の木の板を一人一枚選び、図面を参考に座面や脚の大きさを決め、板に線を引いていく。
 
・さしがねの使い方も慣れず、大きさもどう決めたら良いのか
 うまく想像できないながらも、とりあえず手を動かしてみる。
 
 
 
 
・座面のお尻が当たるところや、脚の外側は、木表になるようにする。
 
・座面、脚、それぞれの線が引けたら、機械を使って切り出し作業。
 
 
 
・実際に手を動かしてみると、
 「あれ?どうなっているの?」「どうすればいいの~?!」と分からないことがたくさん浮かび、
 「小杉さーん!」「梅ちゃーん!」とたびたび質問しながら作業が進んだ。 
 
 
・デザインとして、脚に半円の穴を開ける。
 左右の脚の底面をあわせてクランプで固定。
 板の合わせ目を中心にして円を開けました。
 
 
 
 
くりぬいた部分を、棒ヤスリできれいに仕上げます。
 
 
 
・板にカンナをかけるときは、木目をよく見て、
 どちらから削れば引っかかりにくく、きれいに仕上がるかを考える。
 木は、ストローの束に見立てて考えれば、どちらから削ればいいかわかりやすい。
  
 
 
・材料の切り出し作業が済み、カンナややすり等で断面を整えます。
 材料の角は、ルーターという機械で丸く仕上げました。
 
 
 
・座面も、角をノコギリで切り落とし、サンダーで丸くきれいに仕上げます。
 
 
・いよいよ組み立て作業。
 木表、木裏を間違えないように注意しながら、座面と脚がずれないように印をつけ、
 ネジで留める位置に下穴をあけて、ネジで固定していく。
 
 
 
 
このあたりで、時間も17:30を過ぎ、残りの作業は翌日に持ち越しとなりました。
 
 
 

温泉&夕食

温泉でさっぱりしたあとは、おいしい夕食。
みんなモリモリ食べました!
 
 
 
夕食後には、作物のタネをテーマにしたDVDをみました。
そして、その後はいつものように交流会。
 
楽しい時間とともに、夜が更けていきました。
 
        

追伸

2018年10月から、いよいよ八ヶ岳の拠点での
建築ワークショップが始まります。
基本的な大工仕事は、すべて習得できる
かなり本格的な内容です。
 
 
詳細が決まったら、
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ご興味のある方は、ぜひご登録くださいね。
 
 
 
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