こんにちは、風と土の自然学校 梅崎です。
8月の年間講座1日目のレポートです。
担当してくれたのは、やまぴー。ありがとうございます!
では、さっそくお楽しみください。
8月は、2日間を通して盛りだくさんの内容となりました!
▼11:00 【宿題発表】日本のシステムデザイン 必要なものは、どこから来てる?
以前に、我が家の「エネルギー」「水」「有機物」が何処から来て何処へ行っているのか、を調べました。
今回は、日本全体ではどうなっているかについて、それぞれが宿題で調べてきた内容を発表しました。
【エネルギー】
エネルギーについては、小巻ちゃんがメールで送ってくれた調査の報告と、ぐっちゃんによる発表でした。
・日本のエネルギーの割合は、2015年時点では、
・火力発電:84.6%
・水力発電:9.7%
・再生エネルギー:4.7%
となっており、東日本大震災以降は、原子力発電の割合がほぼゼロにまで減り、その影響で火力発電の割合が増えています。
・日本のエネルギー自給率は、8%。主に化石燃料の輸入に頼っているが、それがいつまでもつか。
・一人あたりの電力消費量は、7829kWh。世界平均は、3030kWh。
・デンマークのロラン島やアイスランドなどの海外事例の紹介。
・お金が儲からないと自然エネルギーは普及していかないのでは?
・国が、固定価格買取制度と太陽光発電促進付与金でソーラーパネルの設置を促進する。
その一方で、太陽光発電所の設置が自然破壊の原因になったりとうまくいっていない、といった事例も。
・蓄電池は、リチウムなどの希少金属を使わうよりも、鉛の方が環境には良いかも。
など。
<これからどうするか>
・省エネ家電の技術発展が進んでいるので、省エネ家電を使うようにする。
・完全なオフグリットはハードルが高いので、まずはこの部屋だけ、など部分的なオフグリットからやってみる。
・熱は熱として使う。熱を一度電気にしてから、
また熱にするのは無駄が多い。
【水】
・日本は、雨が多い国。年平均降水量が、1720mm。(世界の平均降水量が1720mmの1.6倍)
・だが、地形的に川に流れてしまう量が多いので、使える量は少ない。
・年間の水資源賦存量(理論上、人間が最大限利用可能な量)が、日本は約3400㎡。(正解平均約7500㎡の半分以下)
・でも、水が不足していないのは、食料の輸入量が多いので、食料を作るために必要な水(仮想水)を使っていないため。
・日本は世界最大の仮想水輸入国。約804億㎡。
・これからは水戦争になるかも。日本では法律上、土地を買うとそこの水も取得してよいので、外国に土地が買われている。
・水道事業の民営化の問題。
など。
<これからどうするか>
・水も手に入れる手段を複数持つこと。
・雨水の利用。(例:中水として、お風呂、トイレ、洗車などに利用する)
・雨水は、我々が唯一自由に使える水(雨水には水利権がない)
【有機物】
有機物については、僕が発表しました。
・輸入量が多いのに、破棄している量も多い。
・昭和40年から食の変化と共に段々と自給率が下がってきている。
など。
以下、日本の食料のデータです。
・インプット (平成28年度)
・自給率には種類があり、日本ではそれぞれ以下となっている。
・カロリーベース:38%
・生産額ベース:68%
・重量ベース:約62%(輸入量3236万トン(平成19年) ÷ 食用仕向量8294万トン)
・重量ベースの総合値は発表されていないので、自分たちで計算しました。
・アウトプット (平成26年度)
・食品廃棄物:2775万トン(食用仕向量の約33%)
・事業系廃棄物と有価物(大豆ミール、ふすま等):1953万トン
・再生利用:1350万トン
・飼料化向け:983万トン(食品廃棄物の約35%)
・肥料化向け:249万トン(食品廃棄物の約9%)
・エネルギー化向け:118万トン(食品廃棄物の約4%)
・食品リサイクル法における減量:225万トン(食品廃棄物の約8%)
・焼却、埋立:334万トン(食品廃棄物の約12%)
・家庭系廃棄物:822万トン
・再生利用(肥料化、メタン化など):55万トン(食品廃棄物の約2%)
・焼却、埋立:767万トン(食品廃棄物の約28%)
・この内、食べられるのに捨てている量(食品ロス)は、621万トン。
・事業系廃棄物:339万トン
<これからどうするか、と全部の総括>
今回の調査で、色々な情報が出てきて何が本当なのかわからなくなったり、世界の飢餓問題など、大きすぎる問題に対してどうしたらいいものか?
途方にくれたりしたのですが、そこへうめちゃんがくれたアドバイスがとても為になりました。
・色々な情報が流れていて、何が本当かわからなくなってしまうが、
それぞれの情報を一緒にするとわからなくなってしまうので、分けて考える。
・それぞれの角度から見ると、どういうことが言えるのか、を把握する。
そして、自分の足元を考えた時にどうするか、が大事。
・自分ができるのは足元のことだけなので、そこをどうしていくのかを考える。
・何が大事なのか、何が本質なのか、を見極める。
・問題が大きすぎて何もできないように感じてしまうが、個別に具体的な大きさに落とし込んで解決策を見つける。
・具体的な大きさで考えると、できることは色々ある。
例.日本の自給率を上げるのは、なかなか難しいが、我が家の自給率を上げることはできる。
・今回、日本のシステムデザインを調べたが、我々は少なからずそこに依存している。
そして、そこにサスティナブルではない部分を、自分たちで自給していく。
個別に自給していく人が増えれば、自然と全体の自給率も上がっていく。
・自給率の高い生活は大変そうに思えるが、試しにやってみると意外と快適に過ごせたりする。
▼12:30 昼食
お昼は、持参するか、希望者は毎回、ひろさんの「おべんとうやFU・RE・RU」のお弁当が注文できます。
今回は、
ベジ餃子、キュウリの糖漬け(浅漬&古漬)、じゃが芋と玉ねぎのペペロンチーノ、
つるむらさき・おくら・もやしの醤油麹&赤梅酢和え、トマト&チューリのバジルソース、とうもろこしごはん。
毎回ヘルシーで食べたことのないメニューが多く、さらに美味いです!
▼13:30 【卒業制作】アイデア出し
午後は、卒業制作のアイデア出しからスタート。
事前にメーリングリストで挙がっていたものや、その場でどんどんアイデアを出していき、ざっと以下なものが出ました。
・ソーラーパネル
・ソーラーフードドライヤー
・ソーラークッカー
・雨水利用タンク(中水にしてお風呂用、トイレ用、洗車用として利用する)
・草木染め(藍、柿、栗、ビワ、セイタカアワダチソウを使って、服、手ぬぐい、袋を作成する)
・お茶作り(柿の葉茶、トウモロコシヒゲ茶、コーン茶)
・米麹作り(作った米麹で甘酒作りも)
・ぬか漬作り
・みりん作り
・柿酢作り
・食べ物関係は作り方を写真に撮って写真付きのレシピ集にまとめる
・7期のスライドショー(映像、卒業アルバムのようなもの)
あとは後日、お休みのメンバーも含めて、さらに詰めていき、どのあたりをやりたいかを決めていくことに。
▼14:30 梅を干す
畑作業の前に、ナツキータが漬けていた梅を梅干しにするため、浅めのカゴに並べて干しました。
浸かり具合で赤色の染まり方に違いがあり、カゴに並べた時にグラデーションがきれいでした。
▼14:55 【自然農】グループ畑の手入れ
今日の畑作業は、主に草刈りと種まきをメインに色々やりました。
小豆の収穫
・小豆の収穫。房が茶色いのが収穫時。
房を割ると小さめの小豆が並んで入っていて、おー、小豆ってこうやってとるのかー。
小豆は、そこそこ長い期間なり続けるので、だらだら採れる、とのこと。
トウモロコシの収穫
トウモロコシのひげは、めしべ。
1本1本が、それぞれひとつの実とつながっています。
ひげの部分は干して、翌日に「ひげ茶」にしよう、ということに。
そして、黒い実ができる「黒もちとうもろこし」を播いたはずなのに
白い実のものしか見当たらない!
これから黒くなるのか?
別の場所に植えた「白もちとうもろこし」と交雑してしまったのか?
生物は、交雑すると古い遺伝子が発現する、という説もあり、白の方が古かったのか、など憶測が飛び交う。
(これ、帰ってから収穫したとうもろこしを食べようと開けてみると、まだらに黒い実が混じっているものがありました。やはり交雑して白に押し負けたのかな)
ニンジンのたね採りと種まき
人参の種とり
人参の種は、枯れてカラカラになった花序から大量に取れます。
買ったら、たぶん数千円分はありそう(笑)
種子にはトゲトゲがいっぱいついています。このトゲトゲを除去すると発芽率が上がるので、トゲトゲを除去した状態で売られています。
種子が熟していれば、トゲトゲがついたままでも普通に発芽します。
人参の種のまき方
人参の種は光を好む(好光種子)。
幅のあるすじ蒔きにしました。
土は、
種にうっすら土がかかる程度でOK。
草刈鎌の刃の反対側で刻むように表面を叩いて、種子に薄く土をかける。
その後、上からしっかり押さえて定着させます。
乾燥防止のために草をしっかりかけると、発芽率が上がります。
芽が出てきたら、草の量を薄めに残して取りのぞく。
ピーマン、茄子などいろんな野菜が採れました!
▼19:00 夕食
お風呂のあとは、超はらぺこ状態でついに夕食。
ズッキーニのピカタ、お米のポタージュ、ジュのベーゼソースとイモ、三色豆腐、など。
全部美味しかったですが、特にズッキーニのピカタとお米のポタージュは激ウマでした。
▼20:00 マツヨイグサの開花ショー
夕食後は、マツヨイグサの開花ショーを見に畑へ。
ライトやスマホの明かりで咲きそうなつぼみを探します。
すると、あー!きたきた!と見つけた人の指す方を見ると、つぼみがぐぐぐっと開き、花びらがぱーっと開き、最後にガクがしゃきーんと開ききる瞬間が見れました!
それからも、だんだんと開きそうなつぼみが見分けられるようになって、何度も開花ショーを満喫できました。
▼20:40 交流会
1日目の終わりは、いつものようにお酒を飲みつつ交流会。
毎回、普段の生活では聞けない情報が満載で刺激的な時間となります。
今回の話題は、漢字、ソーラー発電、呼吸法、健康保険は実は税金、などなど。
良きところで就寝。