自然農&稲刈り・脱穀編 レポート1 手づくり循環生活体験会

こんにちは、風と土の自然学校 梅崎靖志です。

わが家の稲刈りもようやく終わり、ホッとしているところです。
来週には、すべての脱穀を終えて、一段落できるかな。

今年も、田植えから稲刈り・脱穀まで、たくさんの方に関わっていただき、本当にありがたく、感謝の氣持ちでいっぱいです。

力を貸して下さったみなさん、本当にありがとうございました!

 

今日は、
今年最後の稲刈りイベント「手づくり循環生活体験会<自然農&稲刈り・脱穀編>」のレポートをお届けします。

 

手づくり循環生活体験会とは?

11月から3月にかけて開催しているこの体験会は、毎月、様々なテーマで開催している日帰りイベント。

年間講座「自然農と手づくり循環生活 実践コース」の活動の様子を交えながら、循環する暮らしのイメージをお伝えしています。

 

11月のテーマは、自然農&稲刈り・脱穀。

自己紹介の後、さっそく畑へ出発です。

 

目次

自然農ミニ講座

自然農の基本

自然農の基本は3つ。

・耕さない

・草も虫も敵としない

・持ち出さない、持ち込まない

それぞれ、どんな理由があるのでしょう?

 

耕さない

「耕さないと土は硬い?やわらかい?」

そう聞かれれば、硬い、と答えたくなりますね。

では、森は耕していないから土は硬いか、といえば、どうですか?

 

そう、ふかふかして柔らかいですね。

これは、昆虫類やミミズ、細菌類などが落ち葉を分解してくれるほか、木や草の根が土中に伸びて、土を軟らかくしてくれるから。

温暖で、雨が適度に降る日本の気候は、植物が生い茂り、どんどん豊かになっていきます。

その自然の営みを邪魔しないでいるから、土がやわらかく、豊かになっていきます。

 

この営みは、耕さない畑も同じ。

時間はかかるけど、耕さないことで土が豊かに育っていきます。

耕すことには、様々な理由がありますが、耕さないことにもまた、理由があります。

耕している隣の畑の土と、自然農の畑の土。
両方の匂いを比べると、まったく違うんですね。
みなさんにも、土の匂いをかいでいただきました。

 

土の匂いを出しているのは、放線菌という菌の仲間。
自然農の畑の土は、森の土と同じような匂いがします。

これは、土中で菌が活発に活動している証。

菌類は、空気中の窒素を土中に取り込み、土を豊かにする働きもしてくれます。

私たちの自然農の畑は、今年で8年目。

補いとして、米ぬかなどを畑にまきながら、作物を育てています。
米ぬかをまく量は同じでも、年々豊かになり、収量が増えていることから、土が豊かになっていることを実感しています。

 

草も虫も敵としない

自然農は、除草剤も農薬も使いません。

作物は、草とともに育てます。

もちろん、主役は作物なので、作物の周りに生える草は刈ります。

抜かずに刈るというのがポイントです。

 

時折、こんな質問をもらいます。

「草を生やしていると、虫が増えませんか?」

答えはイエス。

虫は増えます。

でも、害虫だけでなく、益虫も、害虫でも益虫でもない、ただの虫も増えます。

つまり、生き物の種類が多様になるので、生態系のバランスが取れます。
だから、害虫だけが増えるということは起こりにくくなるんです。

 

また、草にも役割があります。

畑の土の豊かさに応じて、草の種類が変わります。

たとえば、スギナが繁茂する畑は、土がやせています。
わが家の畑も、最初の頃はスギナばかりが元気でした。

それが、土が豊かになるにつれて、スギナが減っていきます。

これは、スギナが土を豊かにしてくれたから。役割を終えた草はほかの種類へとバトンタッチしていきます。

また、草たちは光合成をして、養分を作り、土地を豊かにしてくれます。

様々な草を畑に残すことには、ほかにも様々な意味があるんですよ。

 

持ち込まない、持ち出さない

自然農の基本は、草とともに育てるということ。

そして、肥料は使いません。
土がやせているうちは、補いとして米ぬかなどをまくけれど、地力がつけば、それも不要になります。

刈った草や作物の残渣は持ち出さずに、その場に敷いて土に還す。

収穫物から出た野菜クズは、畑にまた戻してあげます。

うんちやおしっこも戻せば循環するけど、そこまでできなくても、地力が徐々についてきます。

 

僕たちが暮らす日本のように、温暖な気候で、雨が適度に降る土地は、自然の営みで豊かになっていくんです。

大切なのは、自然の営みを邪魔しないということ。これに尽きます。

 

草むらにタネを播く

自然農の基本をお話しした後は、さっそくタネのまき方です。

今回播いたのは、エンドウ豆。
いま播くと、来年の5月中旬頃から収穫です。

 

デモンストレーションを交えて、タネのまき方をお伝えしました。

まき方は簡単。

・タネを播く場所の草を刈る。
・地表面に草のタネがあるので、表土をうすくひっかいて脇によける。
・少し深く鎌を地面に差し込み、根切りをする。
・1カ所に3粒、タネを播く。

 

さっそく、みなさんにもタネを播いていただきました。

 

タネを播いたら、その脇に竹の枝をさして支柱にします。

 

ちょうど、藍(アイ)の花が終わり、実がついていました。

 

タネが熟した穂を、両手にはさんでこすれば、ほらこの通り。
黒く輝く小さなタネが出てきます。

 

間引きニンジン収穫後、みんなで写真を撮って昼食です。

 

昼食

自然農の実習を終えて自然学校に戻り、お弁当タイム。

 

収穫した間引きニンジンも、みんなで一緒にいただきました。

 

このあと、手づくり循環生活を、写真を交えてご紹介。

年間講座の活動の様子もスライドでご覧いただきました。

 
 
この後、いよいよ田んぼで、稲刈りと脱穀です。

 
 

お知らせ

12月から3月にかけて、手づくり循環生活体験会を開催しています。

最新のイベント情報は、こちらをご覧下さい。
ご参加をお待ちしています!

2019年12月28日(土) 自然農&鏡もちづくり編

2020年1月13日(月祝) 自然農&もちつき編

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