日本の食料自給率は、
カロリーベースで38%ほど。
政府が、自給率を上げようと
頑張っても、実際には上がるどころか
ジリジリと下がっているのが現状です。
たとえ1%でも、
国の自給率を上げるのは、
本当に難しいんですね。
でも、
わが家の食料自給率ならどうでしょう?
自宅でタネを蒔いたり苗を植えて
野菜や作物を育てれば、
わが家の自給率を1%上げることは、
難しくありません。
自給率を少しずつ上げることで、
自給自足に少しずつ近づくことができますね。
自分で作物を育てて
自給自足的な暮らしを始めよう!
風と土の自然学校 梅崎靖志です。
さて、
安全で安心な野菜を食べたい、
家族に食べさせたい、
と思っている人の中には、
無農薬や無肥料で野菜を育てたいと
思っている方もたくさんいます。
でも、
無農薬や無肥料で本当に野菜が
育つの?と、不安に思ったり、
実際に、
タネを蒔いてみたけどみんな虫に
食べられました・・・
という人もいるでしょう。
今日は、
自然農で自給自足したい!
でも、雑草に負けないで育てられるの?
という疑問にお答えしましょう。
自然農vs普通栽培 どっちがいいの?
自然農の3つの基本は、
・耕さない
・草も虫も敵としない
・肥料も農薬も使わない
一方、
慣行農法と呼ばれる普通の栽培方法では、
・耕す
・草や虫は敵
・肥料と農薬を使うのが基本
あれ、比べてみると自然農の基本と
まるで反対です。
でも、普通栽培でも自然農でも
野菜は育ちます。
慣行農法と呼ばれる普通の栽培方法には
慣行農法の考え方があり、
自然農には、自然農の考え方があります。
自然農の方が、
自然環境を傷めることは少ないでしょう。
でも、
自然農は一般的に収量が少ないので、
すべてを自然農にしたら、
食料が足りなくなるかもしれません。
どちらがいいのか、というのは、
判断基準によって変わります。
自然農の畑に雑草がある方がいい理由とは?
普通栽培が、目的とする作物だけを
畑で育てるのに対して、
自然農は、雑草とともに野菜を育てます。
なぜ、雑草がある方がいいのでしょう?
あなたはなぜだと思いますか?
実は、雑草があると、
虫のすみかができるのがメリットです。
「え、それデメリットでしょ?」
「虫が増えたら、野菜がやられるんじゃない?」
というのが常識的な考え方。
でも、自然農では、
草も虫も敵とせず、
草と共に野菜を育てます。
もちろん、主役は野菜ですから
雑草をボウボウにして
放置するわけではありません。
だから、
野菜と競争している雑草は
抜かずに適度に刈ります。
そして、作物の邪魔にならない
雑草はそのままにしておきます。
もちろん、風や光が通るように
適度に管理します。
なぜ、雑草がある方がいいのでしょう?
普通栽培では、
作物以外の植物、つまり雑草が
生えないように管理します。
すると、やってくるのは作物が好きな虫たち。
その虫たちを駆除するには、
農薬の力を借りる必要がありますね。
一方、自然農では、
作物のほかに、さまざまな雑草と言われる
草が生えています。
すると、いろいろな虫がやってきます。
大きく分けると3種類の虫がいる
畑の虫は、大きく3種類に分かれます。
ひとつは、害虫。
ひとつは、益虫。
もうひとつは、わかりますか?
それは、
ただの虫(笑)
自然農の畑には、
いろんな雑草や虫たちが暮らしています。
作物だけが生えている普通栽培の畑と、
いろいろな雑草や虫たちが
住んでいる自然農の畑。
生態系はどちらの方が豊かでしょう?
そうです。
自然農の畑の方が、
さまざまな動植物がいる分、
生態系も豊かになり、安定します。
生態系が安定すると、
何か1つの生き物が大発生する
ということは
起こりにくくなりますね。
つまり、自然農の畑には、
様々な雑草や虫たちがいるので、
いわゆる害虫の大発生は起こりにくくなります。
自然農の畑は、
生態系を豊かにすることで、
害虫の大発生を防いでいる、ということなんです。
自給自足をするなら、たくさんの収穫よりも適度な収穫を
自給自足したい、と思うと、
ついたくさんの収穫が欲しくなるもの。
そして、肥料を入れれば、
収量は増えるかもしれません。
でも、多くの肥料は海外から輸入しています。
理想は、自分が暮らす地域内で完結できること。
これが持続可能な生き方につながります。
自然農では、作物の邪魔にならない
雑草は、そのままにしておきます。
その草たちは、虫たちのすみ家になるだけでなく、
光合成をして、でんぷんを作ってくれます。
その草が枯れて土に還ることで、
土が豊かになっていきます。
自然の営みが、土地を豊かにしてくれるわけ。
土地がやせているときには、
補いとして、米ぬかなどをまくこともあります。
自然の営みが土地を豊かにすることを
少し手助けするわけです。
時間はかかるかもしれないけれど、
こんなふうに地力に合わせた収穫を得ていくことが、
土地にも自然にも負担をかけず、
持続可能な自給自足生活につながります。
もっと早く、
もっとたくさん、
という時代から、
今ある中で適度に、そして快適に暮らす。
こうした自然農をベースにした
自給自足的な暮らしには、
これからの時代を生きるヒントが
詰まっています。
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