こんにちは、風と土の自然学校 梅崎靖志です。
気温も上がり、畑では草たちが元気になってきました!
自然農では、草ととも作物を育てます。
作物も、生態系の一員ということ
実は、生態系の一員として作物を育てると、いいことがいろいろあります。
肥料をやらないと、収量が少なくありませんか?
わが家の畑は自然農。
だから、
耕さない
草も虫も敵としない(農薬を使わない)
持ち込まない、持ち出さない(肥料を使わない)
肥料も農薬も使いません、というと、
よく質問されるのが、
「耕さず、肥料もやらないと、
収量が少なくありませんか?」
日本国内よりも、海外のほうが有名だと言われた
自然農法の実践家 福岡正信さんは、
単位面積あたりの収量は、普通の栽培に
引けを取らないとおっしゃっていました。
実際、わが家の畑は
毎年、毎年、収量が増えています。
収穫できる期間も長くなっています。
土地がやせているから、生えてきた草をしき、
補いとして、米ぬかをまいたりしているわけですが、
これを毎年繰り返して、今年で8年目。
本当に大きく変わっています。
僕たちが知らない
微生物と植物の超おもしろい関係
いま、読んでいる、微生物と土について書かれた本
「土・牛・微生物 文明の衰退を食い止める土の話」
この本を読めば読むほど、
・畑は耕さない方がいい
・化学肥料は使わない方がいい
・草や野菜の残渣などの有機物は、持ち出さない方がいい
僕が、自然農の体験会でお話ししていることを
裏付けるような話しがたくさん出てきます。
これは、ワシントン大学の先生が書いた本ですが、
・微生物と農作物がどのように共生しているのか、
・土壌の豊かさにとって、
いかに微生物が重要な役割を果たしているのか、
こうしたことを、さまざまなエピソードと
最新の研究成果を交えながら解説しています。
有機物と微生物が、土を肥沃にするということが、
微生物の研究が進むなかでわかってきました。
たとえば、「化学肥料を施すと、土がやせる」のも、
微生物が影響しているとのこと。
ごく簡単に言えば、
微生物は、水や栄養分を集めてきて、植物に渡す。
植物は、根から微生物の餌となる滲出液を出す。
微生物と植物は、持ちつ持たれつなわけです。
地面の下でこんなことが起こっているなんて、
すごいと思いませんか?
時には、光合成でつくり出した生産物の3分の1以上を
植物は微生物に与えているそうです。
いや〜、面白い(でしょ?)
化学肥料で、土はやせる?病害虫に弱くなる?
ところが、化学肥料を与えると、作物は、
微生物の力を借りなくてもいいので、
微生物に餌を与えるのをやめてしまいます。
そうすると、微生物は生きていけません。
微生物は、微量元素は水を集めてくるだけでなく、
害虫と病原体から守る役割もしてくれます。
ところが、化学肥料によって微生物が数を減らせば、
こうした防御機構が働かなくなる。
肥料が増えるほど、農薬の量が増える、という
経験則には、こういう裏があったのか、などなど、
腑に落ちる話しがたくさんあって、とても面白いのです。
細菌といえば、わたしたちも細菌の力で
生かされています。
腸内の細菌バランスが、身体の健康だけでなく
精神的な健康にも大きく影響を及ぼしていることが
わかってきています。
身体の中も、畑の土も、多様な細菌が住んでいるからこそ、
健康が保たれているんですね。
自然の中には、ムダなものはない。
だからこそ、さまざまな生き物に居場所が必要。
そして、人も同じ。
いろいろな人がいるからこそ、バランスがとれるのでしょう。
そういう意味では、さまざまな人が生きられる
寛容な社会こそ、安定していて活氣があり、
持続可能な社会なのではないかと。
自然の生態系バランスを見ていると、
目指す社会像はこれだな、って思うんです。
ということで、
まずは、身近な多様性を高めませう。
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※ご興味あれば、ぜひどうぞ!
「土・牛・微生物 文明の衰退を食い止める土の話」
デイビッド・モンゴメリー著
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