縄文人こそ、循環する農的暮らしの実践者!

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  ネイチャーライティング文章術 開催報告
<縄文人こそ、循環する農的暮らしの実践者!>

先週末は、ネイチャーライティング文章術 を開催しました。

ネイチャーライティングとは、自然を題材にしたエッセイのこと。
2回連続講座の第1回でした。

今回は、八ヶ岳西南麓に位置する縄文中期の遺跡である
井戸尻遺跡を題材に取材を行い、一人ひとりエッセイを書きました。

ここには、出土品を展示している井戸尻考古館と、
復元した竪穴式住居などの屋外展示があります。

縄文人の暮らしが見えてくる!

取材の一環として、考古館の学芸員の方に、解説をお願いしました。

これが本当におもしろくて、
縄文人の暮らしぶりが目に浮かぶよう!

縄文土器のほか、石斧(せきふ)とよばれる石器が
たくさん出土しているのですが、これを糸口に
縄文の暮らしが解き明かされていきます。

 
出土品や、アジア地域の先住民の暮らしなどを参考に、
「井戸尻考古館では、こんな風に考えている」と、
当時の暮らしぶりを類推して、様々な仮説を交えて解説してくださいました。

実は、こうした解説は、井戸尻考古館の特色だそうです。

というのも、日本の考古学は、実証主義と言って、
出土して、確実にわかった事実を積み上げていくのが主流。

だから、普通の考古学の専門家は、出土品そのものの
解説はしても、暮らしぶりなど、出土品を手がかりにして
類推した独自の解釈を口にすることはないそうです。

こうした独自の解釈の中で、特に興味深かったのが、縄文農耕論でした。

縄文時代に農耕がはじまっていた!?

様々な調査から、縄文時代にも一部農耕が
営まれていたと考えられているようですが、
それは、あくまでもサブ的な要素として。

メインとなるのは、木の実を拾ったり、
ウサギなどの小動物を狩ったり、
魚を捕ったりする狩猟採集生活。

これが一般的な見方のようです。

ところが、井戸尻遺跡の出土品を見ると、
どうやら狩猟よりも、農耕の方が割合が
かなり大きかったのではないかと、
考古館では考えているとのこと。

実際、井戸尻遺跡から出土しているのは、
土器だけではありません。

様々な種類の石器が見つかっています。

こうした石器は、石の斧(おの)、
つまり石斧(せきふ)に分類されるそうですが、
実際は、斧ではなくて、鍬(くわ)や草取り鎌の刃です。

つまり、農具の類いが
とてもたくさん見つかっているんですね。

当時、使われていた打製石包丁(穂刈具)を使って、
刈り取りの実演もしてくださいました。
おそらく、穂だけを刈り取っていたのだろう、とのこと。

実際にやってみると、金属の鎌ほどではないけど良く切れます。

打製石包丁(穂刈具)

穂刈りの実演

縄文時代の流れを受け継ぐ農具たち

今回、農作業に使われていたと思われる
様々な石斧をみて驚いたのは、その形です。

というのも、ホームセンターに並んでいる
現代の農具と、形がほぼ同じ。

鍬(くわ)はもちろん、地際に生えた雑草を
ひっかいて除草する草取り鎌も、
違うのは鉄か石かという材質だけで、形はよく似ています。

有肩刃広鍬(中耕除草具)と表示されています

 

上の写真の石器に絵を付けると、除草具になります

左の3本が手鍬(てぐわ)
その隣は比較のために展示された現代の除草具

 

これを見ると、農耕に使われている様々な道具は、
実は、縄文時代から受け継がれているのではないかと思えてきませんか?

 

やはり、狩猟よりも農耕がメイン?

ある一軒の住居から出土した石斧や矢じりが
展示されているコーナーがあります。

農具と思われる石斧は、種類も数も豊富です。

でも、その家から見つかった矢じりはたったの2つ。

もし、狩猟が主流であれば、もっとたくさんの矢じりが
見つかってもいいのではないか、と学芸員さんの解説が入ります。

こうした状況から見ると、縄文時代の中期に栄えた
井戸尻遺跡で、農耕が営まれていたであろうことは、
とても納得がいきます。

ところが、実証主義の考古学の中では、
今のところ、この説は仮説の1つ。
定説とは異なる見方だそうです。

農耕が、食料を得る上で重要な役割を果たしていたことが
認められれば定説が変わります。

だからこそ、まだまだ様々な証拠が必要になる
ということなのでしょう。

縄文とつながる私たちの暮らし

今回の講座では、講師の かくま つとむさんから、
プロライターの視点から、文章の書き方について教えていただきました。

かくまさんは、縄文にもめちゃめちゃくわしい方なので、
縄文の暮らしについてもいろいろとお話しを伺いました。

たとえば、縄文土器の発明で、食材を煮るようになり、
栄養素を効率よく摂取できるようになったそうです。

実は、これって、鍋料理。

学芸員さんからのお話とあわせて聴くと、
縄文の暮らしの様子が立体的に浮かんでくるようでした。

やっぱり、僕たちの暮らしは、縄文時代の
影響が色濃く残っているんだなあ、と思わずにはいられません。

出土したものを見ていると、
縄文人は、クリ等の木の実や狩猟・漁労だけでなく、
農作物の栽培をしていたのは明らかだと思えてきます。

また、縄文時代には、すでに畑で豆類や雑穀などの
栽培をしていたことが、最新の研究で少しずつ
明らかになってているようです。

身の回りの自然と資源を活かし、農耕も営む。

まさに、縄文人は、循環する農的暮らしの実践者です。

 

そして、農的な暮らしをする現代に生きる僕たちも
実は、やっていることはあまり変わらないのかも。

そんなことを感じた、井戸尻遺跡でした。

もちろん、縄文人の手づくりの暮らしには、
まだまだ学ぶべきことが、たくさんありそうです。
 

 

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