こんにちは、風と土の自然学校 梅崎靖志です。
第7期(2018年度)の年間講座「自然農と手作り循環生活 実践コース」も3月まで。
残りわずかとなりました。
1月は、恒例の味噌づくり。
たかちゃんが、レポートしてくれました。
ありがとうございます。
では、お楽しみ下さい!
味噌づくり
初日のレポート担当のたかちゃんが、1〜2日目の味噌の仕込みをまとめてくれました。
今回の材料は、
自然栽培の大豆 約15キロ
糀 約15キロ
塩 7.5キロ
大豆は、吸水すると3〜4倍にふくらみます。
たっぷりの水に一晩つけます。
1日目 大豆をやわらかく煮る
1日目は、大豆をやわらかくなるまで、大きな羽釜で煮ました。
やわらかさの目安は、親指と小指ではさんで、楽につぶせるくらいです。
絶対に焦がさないように混ぜながら、アクもとっていきます。
焦げてしまうと、焦げ臭くなり、おいしい味噌にはなりません。
初日は夕方まで、大豆をゆでるところまで。
2日目 味噌の仕込み
2日目の工程は次のとおりです。
1.大きい容器に糀と塩を入れ、よく混ぜて塩切糀を作る
2.やわらかく煮えた大豆をつぶす
今回は、臼と杵を使ったり、ビニール袋に入れて手でつぶしたりしました。
何せ、大量な大豆なのでなかなか大変な作業でした。
つぶす時も豆の形が残らないようにします。
豆が残ったままだと、豆の中まで糀菌が入りにくいのか、発酵しにくく、仕込んだ味噌が腐りやすいようです。
3.つぶした大豆と塩切糀をよく混ぜる
大豆が熱すぎると麹菌が死んでしまうので、手でさわれるくらいまで冷まします。
4.味噌玉を作り、樽へ投げ入れる
消毒した大きな味噌樽に、球状にしてた味噌玉を投げ入れます。
投げ入れるのは空気が抜けるようにするためです。
このほか、講座生がそれぞれ持ち帰り、自宅で熟成させる味噌玉も、密封袋に小分けにしました。
自宅で味噌を熟成させるには、味噌玉をタッパーなどの容器に入れてふたをします。
ふたをする方法は、いろいろあります。
・味噌の表面に薄く塩をふる
・ケースの円周部分だけに塩をふる
・笹の葉で覆う
・酒粕で覆う
・焼酎でぬらしたガーゼで覆う
・サランラップで覆う
などなど。
今の時期に仕込めば完成は9月か10月頃だそうです。
途中で観察しながらどう変化するか楽しみです。
もちつき
大豆をやわらかくなるまで煮るには時間がかかります。
そこで、午前中は臼と杵でもちつきです。
今回はもち米1升5合を用意して、約40分、セイロで蒸します。
臼と杵には、お湯を入れて温ためておきます。
こうしておけば、蒸したもち米が冷めにくく、もちつきがしやすいそうです。
蒸したもち米を臼に入れた後、はじめは杵で練るようにつぶしていきます。
ある程度つぶれて、まとまったら、いよいよ餅つきです。
杵をまっすぐ振り下ろせず臼にあたってしまったり、もち米の弾力で思ったようにつけずに苦労しました。
お昼はつきたてのお餅でした
醤油、きな粉、あんこ、塩など色々な調味料で味付けしていただきます。
つきたてのお餅は市販の切り餅と違って、とてもやわらかくて何個でも食べられました。
薪割りと、マッチを使った火おこしの方法
薪割りと火おこしの方法も学びました。
斧で薪割り
薪割りする時は、足を開きます。
斧が薪にあたらずに空振りしたとき、自分の足にぶつけないためです。
そして、斧は、振るというよりは、上からまっすぐ降ろして斧の重さで割る感じです。
イメージでは、簡単に割れるように思ってました。
実際にやってみると腕の力で割ろうとしてしまったりして、なかなかうまくいかずに難しかったです。
でも、きれいに割れた時は気持ちがいいです。
マッチで火おこし
火おこしは赤ちゃんのベッドをイメージして準備します。
1.敷きふとんとして、薪を3本程度並べて、その上に、まくらになる薪を置く。
2.火の赤ちゃんのミルクになる細い焚きつけ(マッチ棒サイズ)を枕に立てかけて、上に細めの薪(割箸サイズ)を立体的に置く。
空気の通り道ができて火がつきやすくなります。
3.マッチから、細い焚きつけに火を移し、風を防げば自然と炎がひろがっていきます。
火起こしは用意周到に準備することが大事だそうです。
やり方を学んだあとは3チームに分かれて、火おこし競争。
それぞれ薪を選び、火床から30センチくらいの高さに麻紐を張ります。
おこした火で、どのチームが先に紐を焼き切ることができるか競争をしました。
僕のチームは、急いで準備して早く火をつけようとしてしまいました。
きちんと薪のセットができていなかったため、なかなか火がつきませんでした。
初めに教わった用意周到に準備することの意味が、失敗してみて分かりました。
火おこし競争が終わる頃には、大豆もやわらかく煮えました。
親指と小指で、はさんでつぶれる理想のやわらかさです。
夕食
その後は、温泉と夕食です。
【講義】これからの生き方暮らし方
夕飯の後は座学でこれからの生き方暮らし方についての講義でした。
これまでの講座で学んできた水・エネルギー・食糧の自給率や消費のされ方、経済の成り立ちを通じてこれからの充実した暮らしとは何かを考えました。
経済は交換経済で発展してきました。
交換を効率的に行うために貨幣が誕生し、貨幣経済が発展し、社会は資本主義として発達してきました。
もともと、日本の集落の共同体で行われる労働交換や物々交換は、対価を期待しない贈与経済がベースとしてあったといいます。
交換経済は縁がつながる経済ですが、貨幣が目的となってしまった貨幣経済は円で縁が薄れていく。
経済というところに今の社会の閉塞感や息苦しさが表れているのかなと思いました。
充実した暮らしとは、安心安全健康で心にゆとりのある暮らし、自分の手に自分の暮らしを取り戻すことで、物質と時間の質を向上させることではないか。
その答えの一つとして、手作り循環生活があるのではないかとのことでした。
残りの講座でこれからの生き方暮らし方について、もっと深く考えて自分なりのビジョンを開いていきたいと思います。